結露について

公開日:2010/10/15 23:34

 

  冬場、リビングの窓ガラスの結露や寝室の窓ガラスの結露、押入の中にカビが生えるなどの症状で悩まれている方も多いと思います。
 結露対策として、まず発生するメカニズムについて考えてみましょう。
 
  条件設定
   外気温度=5℃
   家族構成=夫婦+子供2人
   リビング室内温度=22℃
   寝室室内温度=10℃.
 例えば、こんな家が有ったとします。
 リビングでは、石油ファンヒーターで暖房して、一家団らんしています。
 PM8:00、夕食も終わってくつろいでいると、庭に出る窓ガラスにびっしりと水滴が付いてい
 ます!
  この場合の発生原因として、
 1)部屋の外と中の温度差が17℃。窓ガラスは外の気温で冷やされているので、ガラス表面で
  急激な温度差が発生。
 2)石油ファンヒーターで暖房。石油の燃焼で空気中に水分が放出されています=湿度上昇
 3)家族4人の体から出ている湿気。(呼吸で湿気が出ています)
 4)夕飯の準備の調理で、火気使用、料理の湯気などで湿気発生
  などの原因が考えられます。
  ここで、相対湿度について
  20℃でその空気中に50%湿気が溶けている空気があるとします。これは、20℃で相対湿度50%の空気です。この空気をそのまま冷やすと、湿気量は同じなのに気温が下がる=体積が小さくなるので、相対湿度は上昇します。
  20℃の空気を入れ物のと考えると、温度が高い方が空気は膨張しますので、入れ物も大きいのですが、温度を下げると空気は圧縮されていき、入れ物は小さくなっていく。
  5℃の空気だと、相対湿度は80%くらいになる雰囲気です
                       (実際の数値はわかりません(^-^)ゞ ポリポリ)
  リビングの窓ガラスに面している室内空気も、ガラスによって急激に冷やされて、相対湿度
 が上がって100%を超えた為、空気から溢れ出してガラスに結露したのです。
  寝室に入って、そろそろ寝ようと思ったら、寝室の窓ガラスにも結露しています。リビングから離れているし、室内温度も暖房していないから外と大きく温度差が無いのに、なんで結露しているのでしょう??
  リビングで団らん中に発生した空気は、膨張しています。=圧力が高い状態(正圧)廊下の向こうにある寝室は、気温が下がっているのでリビングに比べると圧力が低い状態(負圧)リビングの膨張した湿気のある空気は、負圧の寝室に向かって流れて行きます。
  湿気量はいっしょなので、寝室やその窓で冷やされて、リビングの窓と同じ現象が起こっています。
  寝室で結露しているのはそのためでしょう。
 
 そんなことで、ガラス面や寝室の結露、押入内のカビなどは発生します。
 結露防止方法として
 
 1.湿気の発生を無くす
 2.発生した湿気を捨てる
 3.温度差を無くす
 
 1.湿気の発生を無くす
  これは、人自体から湿気が出ていますし、空気中にも微量に湿気が有ります。
 (砂漠の空気中にも微量に湿気が有るそうです。人口的に作るしか湿気0の空気はできないみたいです)
  ですので、湿気の発生を無くすのは無理です(^-^)
 
 2.発生した湿気を捨てる
  湿気を無くすのは無理なので、発生した湿気を即座に捨てるしかありません。
 料理したときや、ファンヒーターで暖房しているとき、人がいるときは換気扇を回して湿気を
 排出。
 ファンヒーターは使わずエアコンにする。
 
 ここで注意。
 換気するのは、外の湿気の少ない空気を取りいれる、部屋の温度を下げるのではなくて、室内の湿気を捨てるのが目的です。
 湿気が同じ量のままでは、室温を下げると余計に結露の条件は不利になります。
 ま、室内温度の方が外気よりも高いと、膨張しているので勝手に隙間から気圧の低い屋外に流れていきますので安心。
 3.温度差を無くす
 換気するのは寒くて嫌な人は、家中全室を同じ室温に保つ。相対湿度を100%にならないように全室を空調すればOK。
 開口部はペアガラス(low-E)や、断熱サッシを使用。+24時間換気をする で、結露は減少すると思います。完全に0にする為には、結露防止方法の2と3を徹底的にするしか無いと思います。
 
 あとがき
 
 昔に比べると、住宅の性能がどんどん良くなっています。昔は隙間だらけの木造で、窓も木製、障子や襖。壁仕上は塗り壁、畳敷きなど、結露が発生しにくい建物でした。
 現在は、高気密・高断熱住宅。外壁はどんどん隙間がなくなっていき、窓もガラス、アルミサッシ。
 壁は石膏ボードでクロス仕上げ、床はフローリング。湿気の逃げる隙間はどんどんなくなっていき、調湿機能がある仕上ではなくなっています。
 
 1ポイントの性能がアップすれば、そのシワヨセが他の部分に出てしまう。全て完璧にするというのは、お金もかかるしもっとどんどん技術進歩しないといけないのかもしれません。