木造住宅の構造計画の問題点-継手計画-

公開日:2011/05/03 00:00
最終更新日:2011/05/08 13:19

 木造軸組構法住宅の鉛直荷重を負担する梁などの横架材の構造計画では、適切に横架材を配置する架構計画と、配置した部材そのものの曲げ・たわみ・せん断の検討及び、桁と梁の接合部といった仕口部分のせん断検討を行います。
 横架材の構造計画でもう一つ重要なのは、継手の計画です。木材を使用する構造上、材料の寸法(長さ・断面)には限界があり、どうしてもどこかで2本の材料を繋いで1本として連続させて使う必要が出てきます。
 継手を配置する位置と、継手の仕様を計画することが、横架材の構造計画の難しいところです。
 
 木造住宅の横架材の構造計画では、簡便に済ませられるスパン表の利用が一般的ですが、スパン表では部材そのものの断面検討はできても、継手の計画はできません。継手にかかるせん断力の大きさや、継手自体がどれくらいの耐力があるのかがわからないと、継手計画はできません。.
 構造計算で対応する場合、木造軸組工法住宅の許容応力度設計(グレー本)によることになりますが、グレー本では腰掛け蟻継ぎや腰掛け鎌継ぎといったデザインの継手は計算できても、追掛け大栓継ぎや金輪継ぎといったデザインの継手は計算できません。.
 実務では仕様規定により計画を行っていますが、もう少し設計の質を高めたい気がします。.
 そこで、グレー本で計算ができる腰掛け鎌継ぎについては、計算ツールを作りました。腰掛け鎌継ぎに限定しているのは、プレカットが主流になっている現状でプレカット会社が対応できる継手が腰掛け鎌継ぎのためです。又、腰かけ蟻継ぎについては、用いる部位が土台なので省きました。.
 追掛け大栓継ぎや金輪継ぎについては、計算方法がわからないので、実験データを参考にして腰掛け鎌継ぎと比較することになります。
 実験データの参考書籍は、”建築知識 地震に強い木造住宅の設計マニュアル”などがあります。.

継手チェック
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