建築業界の体質(1)

公開日:2008/04/02 15:32


 はつり工事の仕事をされている職人さんと話す機会があったので、建築業界の体質について話しをしました。
 
 はつり工事というのは、コンクリートをガガガガ・・・ってドリルみたいなもので轟音を立てながら壊している人を見かけたことがあると思います。解体工事現場では、機械で壊せない場所を手で壊すとか、鉄筋コンクリート造の工事現場では、コンクリートを流し込むときにあふれ出したものが、固まった後邪魔なので撤去するとか、騒音と振動と粉塵の中での作業です。.
 あのドリルみたいな(はつり機)をずっと持っていると、すごい振動で仕事が終わってからも手が震えるそうです。そのうち手の感覚が無くなって、ご飯や味噌汁を食べるとき茶碗を持つのも大変なんだとか。
 冬場は手に血が通わないので、しびれて痛いそうです。
 そんなのを何年も仕事していると、慢性的に手がしびれるそうです。
 
 そんな過酷な仕事で、一生続けられる訳も無いんですが、日給は普通の職人さんとそんなに変わらないそうです。.
 職人さん全般に共通することですが、肉体労働は一生続けられる訳では無いので、将来の貯金分も一緒に稼がないといけません。でも、それが考慮された単価になっていないのが実情です。昔に比べると、まだ安くなっていってるし、建築工事が減少している中では、価格競争も激しくて、仕事があるだけでもいい。現状維持はまだいい方です。
 
 下請け、孫請けなど、末端で実際に工事を行っている職人さん達の待遇は、いいとは言えません。それでも、その仕事を続けていくしかない、家族を養っていく為将来の見通しも立たないまま現状維持に奮闘している職人さん達。.
 なんだか、いたたまれない気持ちになります。