木造住宅の建築確認申請の現実④

公開日:2008/08/08 19:30


(4)建築物は、きちんと設計業務が行われる.
 はずなんですが、(3)でも述べたように建築確認申請に必要な図面程度で建築できるのが一般的な木造住宅です。
 きちんとした設計業務が行われていない場合があります。
 
 もう一つ問題なのは、建築確認申請を自社で行わず、設計事務所に外注する場合です。
 設計業務全般を外注することはあまりなく、建築確認申請だけを外注することが一般的です。
 そうすると、確認申請に必要な図面以外は作成されない可能性が大きくなります。
 
 建築士の必要性って、何でしょう?
 建築士が図面を書かなくても、業者さん、職人さんの経験と勘で、木造住宅は建築できます。
 職人さんの経験の方が、現場で磨いてきた技術の方が、建築士の知識よりも優れている場合はたくさんあります。
 いい家なら、それでもいいと思います。(何をもっていい家というのか、にもよりますが)
 
 でも、建築確認申請が欠陥住宅の建築防止の関所になっていると思っていたら、それは違うということです。
 
 いろいろ書いていて、建築士って必要なのかな?設計の仕事って必要なのかな?と考えてしまいました。(木造住宅は建築できちゃうので)
 
 ・間取りを考える
 ・使い勝手、動線を考える
 ・法律上の規制に適合させる
 ・地震や台風に対して大丈夫か考える
 ・住み心地のいい家か(光・風・熱)について考える
 ・デザイン性
 ・資金、建築費について考える。予算内におさまる家
 ・安全性、バリアフリーについて
 ・省エネについて
 ・ご近所さんとの建物の関係について
 ・風水、家相について
 
 などなど、やることたくさんあります。いろんなことを知っていて、いろんな角度から検討して建物を計画していくこと。それが設計ですね。
 日々勉強です!
 
 お客さんが設計内容にどこまで期待するか、どんな専門家に頼んで家を建てるか、設計業務をどこまで必要とするか、そのことに私が意見することはできません。
 ただ、建築確認申請に対しての認識の違いにより、トラブルにならないようにしていただけたらと思います。
 そして、お客さんみなさんが「よかった」と思える家づくりをしていただきたいと思います。