木造軸組構法住宅津波流出検討ツール

 東日本大震災では、津波により木造住宅の基礎より上部が流出し、大きな被害が出ました。流出した木造住宅は、その他の建物に衝突することで被害を増加させてしまいます。
 木造住宅の津波による流出対策として有効なのが、基礎と上部構造を十分に固定することです。そのためには、ホールダウン金物(15KN用以上)の数を上部構造の重量に見合った数だけ、均等に設置することが有効だと考えます。
 そこで、木造住宅の建物重量を計算し、津波流出対策の為のホールダウン金物の個数を算出するツールを作成しました。

 木造住宅の構造検討には壁量計算が用いられますが、壁量計算によるホールダウン金物は、できるだけ数を少なく、引き抜き力を小さくするように検討が行われるのが一般的です。
 しかし、津波対策では逆効果になってしまうようです。
 
 今回作成した木造軸組構法住宅津波流出検討ツール”ガッチリくん”は、法的に検討が求められていたり、法的な根拠に基づいて検討を行っているものではありません。このツールによる検討結果を満たせば、どんな津波に対しても流出を防止することができることを保証するものではありません。
 今後起きる大地震による津波被害が予想されている地域においても、津波に対する設計上の配慮がなされずに、法律で定められた最低限度の検討で建築され続けているのが現状です。

木造軸組構法住宅津波流出検討ツール”ガッチリくん”
ガッチリくん.zip
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