十分な設計計画と打ち合わせを行わないと、電気配線を施工する際に2階床梁に穴を開けてしまう場合があります。
梁を横切って配線をしないといけないが、梁下端いっぱいに1階天井がきていて、配線を通す隙間が無い場合。梁成が大きくなる場合に起こりえます。
梁を表しで納める化粧梁の場合に、その梁下端に照明器具やシーリングファンを取り付ける場合。配線を梁の側面に這わすと見た目が悪いので、穴をあけて梁の中を通す場合に起こりえます。
そんな梁貫通穴の大きさや開ける位置の基準、梁の構造計算をおこなう場合の断面積・断面係数の低減率が記載されています。
断面係数は梁の曲げ性能の検討に用いる数値ですので、穴を開ける場合には、どれだけはりせいを増す必要があるのか、検討がおこなえます。
実務上では、建前が終わってから電気配線の際に穴あけの問題が出ると思いますが、そうなってからでは梁を取り換えるわけにはいかないので、設計時に梁せいにどれだけ余力を見ているか、ワンサイズアップの配慮がされているかがポイントになります。計算上ギリギリの数値で断面サイズを決定している場合は、穴あけをやめて配線経路の見直しや露出配線の検討が必要です。
計算上必要になる断面サイズのワンサイズアップしておけば問題ないのかというと、場合によってはツーサイズアップが必要になります。わかりやすいように一覧表を作ってみましたので、参照ください。
詳細は、文部科学省「JIS A 3301を用いた木造校舎に関する技術資料」を読んでください。
■文部科学省ホームページ > 教育 > 学校等の施設設備 > 学校施設の環境対策 > 木造校舎の構造設計標準(JIS A 3301)及び技術資料
http://www.mext.go.jp/a_menu/shisetu/mokuzou/index.htm