ポイント
1.内と外、1Fと2Fの空間の繋がりに配慮
2.地域木材の積極的使用と、素材を感じられる仕上げ
3.地震・台風への配慮
4.間取りの可変性
5.地域環境への配慮
1.は、濡れ縁や中庭で内部と外部の連続性をつくりだし、それでいて的度な外部との距離をとることでプライバシーの確保に努めています。又、吹き抜けで1Fと2Fの連続性をつくりだし、部屋を間仕切りで区画しないことで内部の一体感に配慮しています。1Fは畳敷きにし、座っている状態の視線と台所で立ち仕事をしている視線が繋がるように、キッチンFLを下げています。
2.は、無理な構造計画をしないことで、地域で入手可能な木材で構成できるようになっています。木材を見せる仕上げにしています。
3.は、耐力壁のバランスに配慮し、台風の際に開口部を保護する雨戸を設置。
4.は、1F6畳続き間はロールスクリーンで2室に仕切って応接室に使用したり、法事などの行事で家族が集まる際には続き間として使用できます。床の間は壁面を透過性の材質とし、中庭の植栽の陰影が映し出される仕組みです。2F洋室15畳は、ロールスクリーン等で様々に仕切ることができます。一例を”洋室15畳の部屋割りバリエーション例”に記載しました。
5.は、建物外観を町並みに馴染む、和の雰囲気にしています。
床の間や畳敷きの空間が、家の中から消え始めています。しかし、床の間は日々の暮らしに彩りを加える場所だったり、もてなしの心を表現する場所だったり、節句の催しを行う場に使えたり、日本の文化を感じられる場所です。畳での生活も、フローリングとは違った柔らかさがあり、座ったり寝そべったりできます。靴を脱いで座敷に上がる日本の生活が息づいています。
地域環境への配慮は、地域社会との関係、人間関係を考えながら、日本の文化に配慮することでもあると思います。日本で暮らすという原点に立って住宅を考えてみました。